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2026.11.05開発談

「AIに実装を任せる」開発パイプラインを作った話

Muse × ChatGPT Codex × Cloudflare —— AIエージェント同士を分業させて、要件定義から公開までを回す仕組みを組んだ記録。

  • AI駆動開発
  • ChatGPT Codex
  • Cloudflare Pages
  • GitHub

きっかけ:作りたいものはあるのに、手が足りない

大学で数学を学びながらアプリも作りたい。でも授業と課題で時間は限られていて、「アイデアを思いつく→自分で全部コードを書く→公開する」という一人完結の進め方では、1つ作るのに何日もかかってしまう。

そこで発想を変えた。コードを書く作業そのものをAIエージェントに任せ、自分とAIの役割を分ける仕組みを作ればいいのではないか。その実験として組み上げたのが、この開発パイプラインだ。

全体像:3つのAI/サービスによる分業

パイプラインの流れはシンプルで、4ステップを回すだけだ。

Muse① 要件定義何を作るか、仕様・データ・制約を要件定義書(docs/REQUIREMENTS.md)に落とし込む
ChatGPT Codex② 実装GitHubのリポジトリ上で要件どおりにコーディングし、プルリクエスト(PR)を開く
Muse③ レビュー&マージPRの全ファイルを確認し、データや動作を検証してから main にマージする
Cloudflare Pages④ 自動デプロイマージと同時に本番へ自動デプロイ。公開後のライブ確認まで行う

間をつなぐのがGitHubだ。コードの置き場であると同時に、要件書の受け渡し、PRという形での「成果物の引き渡し」、レビュー履歴の記録場所になっている。

なぜ「Museを通してChatGPTを使う」のか

ポイントは、ChatGPT Codexに直接「アプリ作って」と頼むのではなく、パーソナルAIのClaude(Muse)を司令塔として挟むことだ。これには3つの価値がある。

  • 要件が言語化される:頭の中の「こんな感じ」を、Museが仕様・制約・受け入れ条件まで具体化した要件書に変える。実装AIへの指示が曖昧だと結果も曖昧になるが、入口を固めることでブレが激減した。
  • レビューが入る:AIが書いたコードを、別のAIが全量チェックしてから公開する。たとえばアニメクイズでは、Codexが作った新規400問の問題データを構造チェック+サンプル事実確認まで行い、検証済みの465問データが改変されていないことまで確認した。「速く作る」と「確かさ」は両立できる。
  • 公開まで一気通貫:レビューを通ればマージするだけ。デプロイはCloudflare Pagesが自動で行うので、「作ったのに公開が面倒で止まる」が起きない。

言い換えると、これはAIエージェントのチーム開発だ。設計と品質管理を担う者、実装を担う者、インフラを担う仕組み。それぞれの得意分野に集中させることで、一人+AIでも小さな開発チームのような動きができる。

自動デプロイ(Cloudflare Pages)の効き目

公開基盤にはCloudflare Pagesを使っている。GitHubと連携しておけば、mainへのマージがそのまま本番デプロイになる。サーバー管理は不要で、HTTPSも自動、無料枠の範囲で十分に運用できている。「デプロイ作業」という工程自体が消えるので、アイデアから公開までの距離が一気に縮まった。決済が絡むサンプルショップではStripeのテストモードと組み合わせ、本番課金に触れずに購入フローまで検証できた。

この仕組みで実際に作ったもの

最初の検証用アプリで流れ全体を一度通してから本番のアプリに進んだおかげで、その後は「要件を書く→待つ→レビューする→公開」の繰り返しで、短期間に4サイトが公開まで到達した。

正直なハマりどころ

  • 承認の壁:GitHubへの書き込みは安全のため毎回ユーザーの承認が必要で、これは自動化できない。書き込みをまとめて承認回数を減らす工夫が要った。
  • 進捗の見えにくさ:ブラウザ越しの作業は「本当に進んでいるのか」が分かりにくい。APIやライブページを直接確認して事実ベースで進捗を追う運用に変えた。
  • 名前の衝突:公開したかった anime-quiz.pages.dev は既に別サイトが使用済みで、自動で別名(-6h4付き)になった。公開URLは早い者勝ち、という当たり前の現実。

まとめ:「書く」から「任せて、検証する」へ

このパイプラインで一番変わったのは、自分の役割だ。コードを書く人から、何を作るか決め、仕様に落とし、出てきたものを検証して公開する人になった。実装の速さはAIエージェントが担い、品質と公開の責任はレビュー工程が担う。勉強と並行しながらでもアプリを世に出し続けられる——それが、この仕組みの一番の価値だと思っている。

次回は、このパイプラインで作った個別のアプリの開発談を書く予定。